2024.10.28
真空包装(真空パック)の⽅法と注意点
真空包装(真空パック)とは?
真空包装とは、⾷品や物品を密封した袋内の空気を吸引して脱気し、内部を真空状態にする技術です。⼯業品の保管や輸送において重要な役割を果たす技術です。この⽅法により、包装内の空気を除去することで、酸素の侵⼊を防⽌し、製品を酸化から守る、カビや細菌などの繁殖を抑える効果が期待できます。この⽅法は、製品の品質を⻑期間維持し、様々な環境要因から保護する効果があります。特に⾷品保存や⼯業品の出荷等において広く利⽤されています。
真空包装の主な効果
真空包装を⼯業品に適⽤することで、以下の主要な効果が得られます
- 防塵: 製品を外部の塵や埃から完全に遮断します。
- 防湿: 湿気による劣化や腐⾷を防ぎます。
- 防錆: 酸素を除去することで、⾦属部品の錆びを防⽌します。
適⽤可能な⼯業製品
真空包装は多様な⼯業製品に適⽤可能です
- ⾃動⾞部品: 電池、メカ部品の⻑期保管
- 電⼦機器: 半導体、プリント基板、実装基板の防湿・防塵
- 化学・樹脂製品: 微粒⼦の防湿、⼩ロット品の包装
- ⾦属微粒⼦: 銅、銀、ニッケルなどの防錆
- 医療機器・薬剤: ⾼度な安全管理が必要な製品の防塵・殺菌・防湿
真空包装のメリット
- ⻑期保存: 製品の劣化を⼤幅に遅らせます。
- コスト削減: コンパクトな包装により、保管・輸送コストを低減します。
- 品質管理: クリーンルーム同等の無菌・無塵状態を維持できるとされます。
- 酸化防⽌:空気中の酸素が製品に接触し、酸化反応により製品の品質劣化や変⾊の原因となります。
- 微⽣物の抑制:真空状態では、細菌やカビなどの微⽣物繁殖が抑制できます。
- 機械的保護:包装材が密着することで、外部からの衝撃や摩擦から製品を守ります。
真空包装のデメリット
- コストの増加: 真空包装には専⽤の機器や材料が必要となるため、初期投資や運⽤コストが増加します。特に⼩規模⽣産や少量多品種の製品では、コスト⾯での負担が⼤きくなる可能性があります。
- 包装プロセスの複雑化: 真空包装は通常の包装⽅法と⽐べてプロセスが複雑になります。製品を袋に⼊れ、空気を抜き、密封するという⼯程が加わるため、⽣産ラインの設計や管理が複雑になる可能性があります。
- 製品への影響: ⼀部の製品では、真空状態によって望ましくない影響を受ける場合があります。
- 形状の変形: 柔らかい材質の製品や精密な形状を持つ部品が、真空の圧⼒で変形する可能性があります。
- 静電気の発⽣: 真空状態では気体分⼦の数が減少することから、電離と電荷の増殖が起きづらく、絶縁体になります。静電気が発⽣しやすくなり、電⼦部品などに悪影響を与える可能性があります。その為、真空包装を⾏う際には帯電防⽌機能が付与されたフィルムを使うことが多くあります。
⽤途
主に真空包装が使⽤される製品
- クリーンルーム製品: 電池関連部材・静電物の包装・クリーンルーム作業服等
- 化学⼯業製品: 医薬品・粉末等
- 電⼦部品: 半導体・プリント基板
- レンズ・カメラ部品等: レンズ・カメラ部品・フィルム
- 酸化のリスクが⾼い製品: ⾃動⾞部品など
ケンエーで販売している真空包装が可能な製品