2024.10.28
目次
クリーンルームとは、特定の清浄度を維持するために設計された部屋であり、主に空気中の浮遊微⼩粒⼦や微⽣物を制御することを⽬的としています。
クリーンルームは、空気中の汚染物質(微⼩粒⼦や微⽣物)が限定された清浄度レベル以下に管理される空間です。この環境では、供給される材料や薬品等、清浄度が保持され、温度や湿度・圧⼒などの環境条件も管理されます。
クリーンルームは以下の四原則に基づいて管理されています。
クリーンルームは多くの業界で利⽤されています。
クリーンルーム内の空気の清浄度を表す基準です。1⽴⽅フィート(約28.3リットル:約28.3⽴⽅mm)あたりの0.5μm以上の粒⼦数で分類します。クリーンルームは空気中の微粒⼦が少ない部屋とされています。
では空気中の微粒⼦がどの程度少ないか、つまりどれくらい清浄であるのか。この規格がクラス(清浄度)として表されています。クラスの⽰す尺度は、単位体積に含まれる粒⼦の数で表されています。数字が⼩さいほど清浄であり、数字が⼤きいほど微粒⼦が多いと分類されます。
(数字が⼩さいほど⾼性能・数字が⼤きいほど⼀般環境に近くなる、といったイメージです)
クリーンクラス | 粒径 0.5 μm の粒子数 |
---|---|
(1f3(立方フィート ≒ 28.3リットル)) | |
クラス 1 | 1 |
クラス 10 | 10 |
クラス 100 | 100 |
クラス 1000 | 1,000 |
クラス 10,000 | 10,000 |
クラス 100,000 | 100,000 |
製造業におけるクリーンルームのクラスは、製品の種類や要求される清浄度によって異なります。以下に主な製造分野とそれぞれに求められるクリーンクラスについて説明します。
半導体⼯場
半導体製造では最も厳格な清浄環境が必要とされています。半導体⼯場のクリーンルームは通常、クリーンクラス1〜100の範囲内とされています。この⾼度な清浄度は、集積回路の製造、エッチング、蒸着、研磨などのプロセスにおいて極めて重要と⾔われています。
電⼦部品⼯場
電⼦部品の製造には、クリーンクラス100〜10,000のクリーンルームが⼀般的と⾔われています。このレベルの清浄度は、プリント基板、ディスク、コンデンサーなどの製品の⽣産性向上と品質管理に適しています。
光学機械⼯場
レンズやカメラ、レーザーなどの⾼精度製品を製造する光学機械⼯場では、電⼦部品⼯場と同程度の清浄度が求められます(クリーンクラス100〜10,000程度)。
薬品・⾷品⼯場
薬品や⾷品の製造では、クリーンクラス100〜100,000の範囲のクリーンルームが使⽤されます。これは乳製品や醸造品、⾷⾁加⼯における⾍の混⼊対策などに有効です。
印刷⼯場
印刷⼯場では、クリーンクラス1,000〜100,000のクリーンルームが⼀般的です。これにより製品の仕上がりの向上と品質管理が可能になります。
⾃動⾞部品⼯場
⾃動⾞部品製造では、主に⽬に⾒える⼤きさの異物(鉄の切粉、鉄のコゲ、くずなど)の管理が重要です。
クリーンルームの清浄度を維持するには、適切な清掃と管理が不可⽋です。特に繊維くずや⾦属⽚などの異物に注意が必要です。これらの異物は製品の品質や性能に直接影響を与える可能性があるため、定期的な清掃と異物の発⽣源の特定が重要です。
クリーンルームに紛れ込みやすい異物について紹介していきます。さまざまな⼯場や医療施設などにおいて、どこでも紛れ込みやすいものです。
異物の問題は業界によって異なります。
<h2クリーンクラスを⾝近な環境で表すと・・・
実は半導体を製造する環境である「クリーンクラス100」というのは、地球上で感じとることは⾮常に困難とされています。以下に、⾝近な環境をクリーン度で表してゆきます。
クリーンルーム化されていない⼯場は、実はクリーンクラス10,000,000以上といわれていることがあります。他にも、オフィスの環境は⽐較的綺麗だなと思いますが、空気中には浮遊物も多く、実はクラス1,000,000以上といわれています。空気が綺麗!空気がおいしい!と⾔われる森の中でも、なんとクラス10,000〜100,000といわれています。
このように普段の⽣活環境の空気中には、⽬では⾒ることの出来ない細かい粒⼦・粉塵の数が多いのです。そして、上記のように通常では存在しないクリーンな環境を作り出すことが出来る部屋がクリーンルームなのです。