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2025.10.24 静電気対策資材

クリーンルーム対応資材とは?清浄な空間を守る資材たち

清浄度を守る「クリーンルーム対応資材」とは?選び方から種類まで徹底解説

はじめに:クリーンルームを「クリーン」に保つために
半導体や医薬品、精密機器の製造など、現代の高度なモノづくりに不可欠な「クリーンルーム」。
その心臓部である高い清浄度は、高性能な空調設備だけで維持できるものではありません。
実は、その空間で「何を使うか」、つまり「クリーンルーム対応資材」の選定が、清浄度を維持する上で極めて重要な鍵を握っています。
普通の文房具や梱包材を持ち込むだけで、製品が全滅する可能性すらあるのがクリーンルームの厳しい世界です。
このコラムでは、清浄な空間を守るために不可欠な「クリーンルーム対応資材」とは何か、なぜ必要なのか、そしてどのような種類があるのかを、分かりやすく解説していきます。

①:クリーンルーム対応資材とは?なぜ必要なのか?

クリーンルーム対応資材とは、その名の通り、クリーンルーム内での使用を前提として、汚染(コンタミネーション)の原因とならないように設計・製造された特別な資材のことです。

クリーンルーム対応資材に求められる5つの条件
通常の資材とは異なり、主に以下の5つの厳しい条件が求められます。

1.低発塵性: 資材そのものからホコリや繊維くずが発生しにくいこと。
2.帯電防止性: 静電気を発生させにくく、寄せ付けにくいこと。
3.耐薬品性: 洗浄や消毒に使われる薬品に強いこと。
4.清浄性: 表面が滑らかで汚れにくく、清掃しやすいこと。
5.耐久性: 長期間の使用に耐え、性能が劣化しにくいこと。

なぜ「専用品」でなければならないのか?
クリーンルームの汚染源は、外部から侵入するチリだけではありません。実は、人間や、持ち込むモノ自体が最大の汚染源となり得ます。

・人:
髪の毛、フケ、皮膚、唾液の飛沫、衣服の繊維など、人間は常に微粒子を発生させています。

・資材:
紙・段ボール: わずかな動きでも大量の繊維くずを発生させるため、持ち込みは厳禁です。
通常のプラスチック製品: 静電気を帯びやすく、空気中のホコリを磁石のように吸い寄せてしまいます。
塗料・木材: 目に見えない化学物質(VOC)や微生物を放出し、製品を汚染する可能性があります。

・設備、工具:
モーターの摩耗粉や潤滑油、通常の清掃用具なども汚染の原因となります。

これらの汚染源を管理し、製品の品質を守るために、クリーンルーム内で使用するものは全て「クリーンルーム対応資材」でなければならないとされています。

②:清浄度を支える主なクリーンルーム対応資材

ここでは、ケンエーで取り扱いのある代表的なクリーンルーム対応資材をご紹介します。

クリーンルーム用ユニフォーム(クリーンウェア)
役割: 作業者自身からの発塵を外部に漏らさないための「フィルター」です。
求められる性能: 特殊なポリエステル長繊維など、それ自体が発塵しにくい生地で作られています。さらに、導電性繊維を織り込むことで、衣服の帯電を防ぎ、ホコリの付着を抑制します。
種類: 防塵服(つなぎ)、フード、マスク、手袋、ブーツカバーなどを全身に着用します。

クリーンルーム用手袋
役割: 人の手から出る汗や油、皮膚片などから製品を保護し、素手で製品に触れることを防ぎます。
求められる性能: 発塵の原因となる粉(パウダー)が付いていない「パウダーフリー」が基本です。素材はニトリルゴムなどが多く、クリーンルームのクラスに応じた清浄度のものを選びます。
選ぶポイント: 製品保護だけでなく、作業者の安全性や作業性(グリップ力など)も考慮して選びます。

クリーンルーム用ラインテープ
役割: クリーンルーム内の区域分け(ゾーニング)や、人やモノの動線を示すために使われます。
求められる性能: テープの基材や粘着剤から発塵しにくいこと、静電気を帯びにくいこと、そして剥がした際に糊が残りにくいことが重要です。

クリーンルーム用粘着マット
役割: クリーンルームの入口や、より清浄なエリアの境界に設置し、靴底に付着したホコリやゴミを粘着力で除去します。
求められる性能: 高い粘着力と、汚れたらシートを1枚めくるだけで新しい粘着面を出せる手軽さが特徴です。

③:資材選定のポイントとよくある質問(Q&A)

Q1: 資材を選ぶ上で、最も重要なことは何ですか?
A1: クリーンルームのクラス(清浄度レベル)に適合した資材を選ぶことです。
例えば、クラス100のクリーンルームに、クラス10000対応の資材を持ち込むことは推奨されません。
要求される清浄度レベルを満たすか確認しましょう。

Q2: 作業内容によって、選ぶべき資材は変わりますか?
A2: はい、変わります。
例えば、薬品を扱う場合は耐薬品性、高温の環境では耐熱性、静電気に弱い製品を扱う場合は特に帯電防止性能が高いものなど、作業環境や内容に応じた機能を持つ資材を選ぶ必要があります。

Q3: クリーンルーム対応の文具や工具も必要ですか?
A3: はい、必要とされます。
通常のボールペンやノート、工具は、それ自体が発塵したり、静電気を帯びたりする大きな汚染源となります。
発塵しにくい紙(クリーンペーパー)や、帯電防止処理された専用の文具・工具を使用が推奨されます。

Q4: 静電気対策が施された資材は、本当に効果があるのですか?
A4: はい、非常に効果的です。
静電気対策された資材は、静電気を素早く逃がすことで、目に見えないホコリが製品に引き寄せられるのを防ぎます。
これは、製品の不良率を低減させる上で極めて重要な要素です。

弊社取扱い製品のご案内
弊社では、クリーンルームの清浄度維持に欠かせない、多種多様な対応資材を取り揃えております。
クリーンルーム用ユニフォーム、手袋、シューズ
クリーンルーム用テープ、粘着マット
クリーンルーム用文具、チェア、ワイパー
静電気対策が施された各種包装材(袋、シートなど)

お客様のクリーンルームのクラスやご用途、お困りごとに合わせて、最適な資材をご提案させていただきます。
下記お問合せフォームより、お気軽にご連絡ください。

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