2025.10.24 静電気対策資材

目次
コラムNo.44 もう静電気で悩まない!「導電マット」で手軽に快適作業
導電マットの仕組みとは?帯電防止マットとの違いと使い方
はじめに:導電マットとは何か?
電子部品の製造ラインや化学工場、手術室など、ごくわずかな静電気放電(ESD)が製品の破壊や大事故に繋がりかねないプロフェッショナルな現場。
そうした場所で、静電気対策として活躍するのが「導電マット」です。
導電マットは、人体や作業台に発生・帯電した静電気を、「素早く、かつ安全に地面(アース)へ逃がす」ことができる高機能マットです。
このコラムでは、導電マットが静電気を逃がす巧妙な仕組みから、よく似た「帯電防止マット」との決定的な違い、そしてその効果を引き出すための正しい使い方までを、詳しく解説していきます。
一見すると普通のマットですが、導電マットの内部には、静電気を安全かつ効率的に除去するための巧妙な仕組みが隠されています。
多くの導電マットは、役割の違う2層構造になっています。
仕組み:2層構造で「ゆっくり受け取り、素早く逃がす」
【表面層】静電気拡散層(高抵抗層)
人が最初に触れるマットの表面部分です。ここは電気が流れすぎない「静電気拡散性」の素材でできており、人体から静電気を急激すぎないように、ゆっくりと受け取る役割を果たします。
これにより、電子部品への電気的ショック(サージ)や、人体が感じる「バチッ」という不快な電撃を防ぎます。
【下面層】導電層(低抵抗層)
表面層が受け取った静電気を、素早く地面(アース)へと流すための電気の通り道です。非常に電気が流れやすい「導電性」の素材でできており、静電気がマット上に溜まることを防ぎます。
この「ゆっくり受け取り、素早く逃がす」という2段階の連携プレーこそが、安全性と確実な除電性能を両立させる導電マットの心臓部なのです。
「静電気の発生を抑える」だけでは不十分で、発生してしまった静電気を「確実に除去」しなければならない、
以下のような現場では導電マットが必須です。
爆発・引火の危険性がある場所
化学プラントや塗装ブース、燃料貯蔵所など、静電気の火花が爆発や火災の引き金になりかねない場所。
静電気に非常に敏感な電子部品を扱う場所
ICチップや半導体など、ごくわずかな静電気放電(ESD)で破壊されてしまうデリケートな部品を扱う製造・組立・検査ライン。
高度な医療・研究現場
手術室での麻酔ガスへの引火防止や、精密測定機器が静電気ノイズで誤作動するのを防ぐ必要がある場所。
導電マットは、製品の品質維持と作業の安全確保が最優先される、以下のようなプロフェッショナルな現場で活躍しています。
工場の作業場(特に電子・精密機器)
作業者や工具から発生する静電気を常に除去し、製品を静電気破壊から守ります。
クリーンルーム
半導体や液晶パネルの製造工程で、静電気による微細なホコリの付着を防ぎ、製品の歩留まりを向上させます。
(※クリーンルームで使用する場合は、専用の仕様を満たした製品が必要です)
研究室・実験室
精密な測定機器や分析装置を静電気ノイズから守り、正確な実験データを維持します。
高性能な導電マットも、使い方を間違えれば効果を発揮できません。
以下のポイントを意識しましょう。
アース接続
導電マットは、静電気を地面に逃がして機能を発揮します。
リストストラップと併用する
マットだけでなく、作業者の手首に「リストストラップ」を装着し、それをマットやアースに接続することで、人体からの除電がより確実になります。
導電経路を確保する
マットの上に絶縁性のモノ(一般的なプラスチックケースなど)を置くと、その上の部品の静電気は逃げられません。
作業台や棚なども含め、製品までの電気の通り道(導電経路)がすべて確保されているかを確認する必要があります。
定期的な清掃とメンテナンス
表面に油膜や汚れが付着すると導電性能が低下します。
中性洗剤などで定期的に清掃し、清潔な状態を保ってください。また、長年の使用で劣化した場合は交換が必要です。
ケンエーでは、高い静電気対策が求められるプロの現場に対応する、様々な導電性マット・床材を取り揃えております。
【床材】高い導電性と耐久性を両立
導電性床材|エレフィールフロア-R AKR006
【作業台用・汎用】
導電性作業台マット(汎用品)|エレフィールマットNV-R AKR005
【作業台用・高耐久】
導電性作業台マット(補強用クロス入)|エレフィールマット-R AKR004
その他、多数の製品をご用意しております。
ご用途に合わせて最適な製品をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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