2025.10.24 静電気対策資材

イオンを発生させる電極の種類はどんなのがあるの？そしてそれは、どんな特徴が、あるの？

【　イオンを発生させる電極の種類はどんなのがあるの？そしてそれは、どんな特徴があるの？　】

静電気って、冬場にパチパチするだけでなく、工場の製造現場では製品にホコリが付着したり、
電子部品が壊れたりする原因にもなる、厄介な存在ですよね。

この静電気対策として、「イオナイザー」という装置が使われます。
イオナイザーは、イオンを発生させて静電気を中和する装置ですが、その心臓部である「電極」にはいくつかの種類があるんです。

今回のコラムでは、イオンを発生させる電極の種類と、それぞれの特徴、そして選び方のポイントを、
静電気の知識があまりない方にも分かりやすく解説していきます！

① イオンを発生させる電極には、大きく分けて「コロナ放電式」と「放射線式」の2種類があります。

静電気を除去するイオナイザーには、イオンを発生させるための「電極」が使われています。
この電極には、大きく分けて「コロナ放電式」と「放射線式」の2つの方式があります。
それぞれの方式で、イオンの発生方法や特徴が異なります。

② なぜ？：

それぞれの方式で、イオンの発生方法と特徴が異なるからです。

（１）コロナ放電式: 電極に高い電圧をかけることで、空気中の分子をイオン化します。
メリット：
構造が比較的シンプルで、小型化しやすい。
比較的安価に製造できる。
イオン発生量が多く、静電気を素早く除去できる。
デメリット：
オゾンが発生しやすい。（オゾンは独特の臭いがあり、濃度が高いと人体に有害な場合があります。）
電極が劣化しやすい場合がある。

（２）放射線式: 放射性物質から放出される放射線を利用して、空気中の分子をイオン化します。
メリット：
オゾンが発生しない。
電極の寿命が長く、メンテナンスの手間が少ない。
デメリット：
放射性物質を使用するため、安全管理に注意が必要。
イオン発生量が少なく、静電気の除去に時間がかかる場合がある。
コロナ放電式に比べて高価。

③ 対策は？：

用途や目的に合わせて、適切な電極を選びましょう。
電極を選ぶ際には、以下の点を考慮して、最適なものを選びましょう。

（１）必要なイオン発生量: 静電気が発生しやすい場所や、広い範囲を除電したい場合は、イオン発生量が多いコロナ放電式が適しています。
（２）除電速度: 素早く静電気を除去したい場合は、コロナ放電式が有利です。
（３）オゾンの発生量: オゾンを避けたい環境（クリーンルームなど）では、放射線式が適しています。
（４）安全性: 放射線式は放射性物質を使用するため、安全管理体制が整っている場所での使用が推奨されます。
（５）コスト: 初期費用を抑えたい場合はコロナ放電式、ランニングコストを抑えたい場合は放射線式が有利です。
（６）メンテナンス性: メンテナンスの手間を省きたい場合は、放射線式が適しています。

④ どのような製品を使ったらよいか：静電気対策におすすめイオナイザー製品紹介

ここでは、代表的な製品と、その取扱会社・メーカー（一例）を紹介します。

イオナイザー（バータイプ）:
長いバー状のイオナイザーで、広い範囲の除電に適しています。
取扱会社・メーカー例: 株式会社キーエンス、シムコジャパン株式会社、株式会社TRINC。

イオナイザー（ガンタイプ）:
手で持って使用するタイプのイオナイザーで、局所的な除電に適しています。
取扱会社・メーカー例: ベッセル、ホーザン、白光。

イオナイザー（ノズルタイプ）:
エアーブローと同時にイオンを吹き付けて除電するタイプ。
取扱会社・メーカー例: 株式会社コガネイ、SMC株式会社、CKD株式会社。

※まとめ
静電気対策は、製品の品質向上や作業者の安全確保に欠かせません。
イオンを発生させる電極には「コロナ放電式」と「放射線式」があり、それぞれ特徴が異なります。
今回のコラムを参考に、ご自身の環境や目的に最適な静電気対策製品を選んで、快適な環境を作りましょう！