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2025.10.24 製袋についての豆知識

【製袋とは?】知っておきたい包装の基礎知識

あなたの身近な“袋”はどう作られている? 用途で選ぶ「製袋方法」の違いを徹底解説

お菓子の袋、ゴミ袋、コーヒー豆のパッケージ。私たちの周りには多種多様な「袋」がありますが、
その形や機能がどのようにして決まっているか、考えたことはありますか?
実は、袋はその中に入れる商品や使われる場面に合わせて、様々な「製袋(せいたい)」という方法で加工されています。
今回は、この奥深い「製袋」の世界に焦点を当て、その基本的な知識から、代表的な製袋方法ごとの違いまでを詳しくご紹介します。
(補足:袋ができるまで) そもそも袋の原材料は、ポリエチレンなどの樹脂(プラスチックの粒)です。
この樹脂を「インフレーション成形法」などの技術で熱を加えて溶かし、
空気で風船のように膨らませながら薄いチューブ状やシート状の「フィルム」を作ります。このフィルムを加工して様々な形の袋にする工程が「製袋」です。

①商品の価値を決定づける袋の「形」。

その機能性とデザイン性は、中に入れるものに合わせて最適化された、驚くほど多様な「製袋方法」によって生み出されています。

一見すると単純な袋にも、実は中身を保護し、美しく見せ、使いやすくするための工夫が詰まっています。
例えば、自立して商品をアピールする袋、中身を長期間新鮮に保つ袋、小さな部品を効率よく包装する袋など、その目的は様々です。
これらの要求に応えるため、多種多様な製袋方法が発展してきました。
袋を選ぶことは、単なる入れ物選びではなく、商品の価値を最大限に引き出すための重要な選択なのです。

②なぜ? そんなに多くの製袋方法があるのか?

では、なぜ一つの方法ではなく、これほど多くの製袋方法が必要なのでしょうか。
それは、袋に求められる役割が一つではないからです。製袋方法を選ぶ際には、主に以下のような点が総合的に考慮されます。

中身の保護(バリア性): 空気や湿気、光を遮断し、中身の品質を保つ必要があるか。レトルト食品や医薬品などは特に高いバリア性が求められます。
商品の見せ方(意匠性・陳列効果): 店頭で商品を魅力的に見せたいか。自立させて棚に並べたい、透明で中身を見せたい、印刷面を広く取りたい、といった要望に応える形が必要です。
使いやすさ(開封性・利便性): 消費者が簡単に開けられるか、チャック付きで再封できるか、といった利便性も重要な要素です。
生産性とコスト: 大量生産に向いているか、製造コストはどれくらいか。シンプルな袋ほど低コストで大量生産が可能です。
環境への配慮: 環境に配慮した素材や、なるべく廃棄物の少ない製法を選ぶことも、近年ますます重要になっています。

これらの複雑な要求の組み合わせに応えるため、それぞれに特長を持った製袋方法が生まれ、使い分けられているのです。

③対策は?代表的な製袋方法を知り、最適な袋を見つける

それでは、具体的にどのような製袋方法があるのでしょうか。
ここでは代表的な5つの方法について、その特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

1. ボトムシール(底シール) どんな形? 筒状のフィルムを希望の長さでカットし、底の部分だけを熱で溶かして(ヒートシールして)作る、最もシンプルで汎用的な袋です。
私たちがよく使うゴミ袋や、一般的なポリ袋がこのタイプです。

メリット
コストパフォーマンス: 製造方法が非常にシンプルなため、低コストで大量生産が可能です。
サイズ自由度: 小さな袋から布団が入るような大きな袋、長尺物用の袋まで、幅広いサイズに対応できます。

デメリット
厚みのあるものに不向き: マチ(奥行き)がないため、厚みのある箱などを入れるのには適していません。
自立しない: 自立性がないため、商品を立てて陳列するには不向きです。

こんなものに使われる! ゴミ袋、衣料品の持ち帰り袋、雑貨の包装、肥料袋、部品のまとめ袋など

2. 二方シール(カマス袋) どんな形? 1枚のフィルムを半分に折り、折り目を底にして、両サイドの二辺をシールして作ります。
封筒のような形状で、底にシール部分がないのが特徴です。「カマス袋」とも呼ばれます。

メリット
シンプルな美しさ: シール部分が少なく、すっきりとした外観です。
デザイン性: 裏表ともに平らな面なので、デザインを施しやすいです。
封入のしやすさ: 開口部が広く、機械での自動封入にも適しています。

デメリット
厚みのあるものに不向き: ボトムシール同様、マチがないため内容物の厚みに制限があります。

こんなものに使われる! クッキーやマドレーヌなどの個包装、どら焼き、パンフレットや書類の封入、調味料の小袋など

3. 三方シール どんな形? 2枚のフィルムを重ね合わせ、底と両サイドの三辺をシールして作ります。
非常に一般的な製袋方法で、多くの食品包装で採用されています。

メリット
高い密封性とバリア性: 三辺をしっかりとシールするため密封性が高く、アルミ蒸着フィルムなどバリア性の高い素材を使えば、中身を長期間保護できます。
多様な機能: チャックを付けたり、手で切りやすいようにノッチ(切り込み)を入れたりと、様々な機能を付加できます。
デザイン自由度: 袋の形や印刷デザインの自由度が高いです。

デメリット
自立しない: 底にもシール部分があるため、基本的には自立しません。
コスト: 二方シールなどと比較すると、製造コストはやや高くなる傾向があります。

こんなものに使われる! スナック菓子、ふりかけ、インスタントスープの素、レトルトカレー(パウチ)、医薬品、電子部品の包装など

4. 合掌シール(背張りシール) どんな形? 1枚のフィルムを筒状に丸め、背中の中央部分を合わせて(合掌するように)シールし、さらに上下をシールして作ります。
ポテトチップスなどの袋でお馴染みの形状で、「ピロー包装(枕型包装)」とも呼ばれます。

メリット
見栄えの良さ: 表面にシール部分が来ないため、デザインが美しく見えます。
情報量の多さ: 表・裏・背中の全面に印刷でき、多くの情報を盛り込めます。
密封性: 密封性が高く、食品の鮮度保持に適しています。

デメリット
製造工程がやや複雑: 他の製袋方法に比べ、工程が少し複雑になります。
自立しない: 基本的には自立しないため、陳列には工夫が必要です。

こんなものに使われる! ポテトチップスなどのスナック菓子、キャンディー、インスタントラーメン、チョコレートなど

5. 底ガゼットシール(スタンドパック) どんな形? 袋の底の部分に「マチ(ガゼット)」と呼ばれる折り込みを作ることで、中身を入れると底が広がって自立するようにした袋です。
三方シールや合掌シールにこの加工を施すことが多いです。

メリット
優れた陳列効果: なんといっても自立するのが最大の特徴。商品を棚に立てて並べられるため、顧客へのアピール効果が抜群です。
大容量: マチがある分、同じサイズの平袋より多くの内容物を入れることができます。
中身の保護: マチ部分がクッションの役割も果たします。

デメリット
コスト高: マチを作る工程が加わるため、平袋に比べてコストは高くなります。

こんなものに使われる! コーヒー豆、お茶の葉、ペットフード、シリアル、洗剤の詰め替え用パックなど

④【どのような製品をつかったらよいか】用途別に見る代表的な包装資材とメーカー

これらの製袋方法で作られる袋は、一般的な包装資材メーカーや通販サイトから購入できます。用途に応じて最適な製品を選びましょう。

1. シンプルな包装・仕分け用
代表的な製品: ポリ袋(HDPE/LDPE)、OPP袋(透明度が高い袋)
主な製袋方法: ボトムシール、二方シール
主な取扱会社・メーカー:
福助工業株式会社
株式会社生産日本社(セイニチ)
株式会社シモジマ(店舗・オンラインストア)
アスクル株式会社(LOHACO)

2. 食品や精密機器の保存用(バリア性・密封性重視)
代表的な製品: アルミ袋、ナイロンポリ袋(真空パック用)、チャック付き袋
主な製袋方法: 三方シール、底ガゼットシール
主な取扱会社・メーカー:
株式会社生産日本社(セイニチ)(「ラミジップ」シリーズが有名)
株式会社クリロン化成(「彊美人」シリーズなど)
明和産商株式会社
大手包装資材通販サイト各社

3. 静電気対策が必要な工業製品用
代表的な製品: 帯電防止袋、導電袋、静電気シールドバッグ
主な製袋方法: ボトムシール、三方シール、チャック付き袋
主な取扱会社・メーカー:
三菱ケミカル株式会社
大倉工業株式会社
株式会社テクノスタット
各種静電気対策製品を扱う専門商社

まとめ
今回は、様々な「製袋方法」について解説しました。
袋の形状一つひとつに、中身を最適に「保護し」「見せ」「使いやすくする」ための理由と工夫が込められています。
商品の企画や包装資材を選ぶ際には、今回ご紹介したような各製袋方法の特長を理解することで、より商品の価値を高める選択ができるはずです。
ぜひ、身の回りにある袋がどの方法で作られているか、観察してみてください。

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