2025.10.24 静電気対策袋の豆知識, 静電気対策資材

防湿袋のタイプの違いを教えて 例えば透明な物や、クリーンルーム対応の物や、アルミタイプもの、そして値段の違い

①大切な製品を湿気や静電気から守るためには、保管する物の特性や保管環境を考慮し、最適な防湿袋を選ぶことが非常に重要です。

防湿袋は、ただ単に湿気を防ぐだけでなく、製品の品質を維持するための重要な役割を担っています。
適切な防湿袋を選ぶことで、製品の劣化を防ぎ、長期間にわたって安心して保管することができます。

②なぜ？：

どうして適切な防湿袋を選ぶ必要があるのでしょうか？
湿気は、製品にとって大敵です。特に、以下の製品は湿気の影響を受けやすく、注意が必要です。

（１）食品: 湿気によりカビや腐敗が発生し、風味が損なわれます。
（２）衣類: 湿気によりカビやシミが発生し、生地が傷みます。
（３）電子部品: 湿気により錆びや腐食が発生し、故障の原因となります。
（４）半導体・精密機器: 湿気だけでなく、塵や埃、静電気も大敵です。

さらに、静電気も、電子部品や精密機器にとっては深刻な問題を引き起こします。
静電気放電（ESD）により、製品が破損したり、誤作動を起こしたりする可能性があります。
静電気は、乾燥した環境で発生しやすく、冬場は特に注意が必要です。
また、衣類の摩擦など、日常の何気ない動作でも発生します。

③対策は？：

具体的にどのような点に注意して防湿袋を選べばよいのでしょうか？
防湿袋を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。

（１）保管する物の特性:
中身を確認したい場合: 透明な防湿袋が適しています。
食品や衣類など、頻繁に出し入れする物や、在庫管理を容易にしたい場合に便利です。
光や湿気を遮断したい場合: アルミタイプの防湿袋が適しています。
食品、薬品、電子部品など、光や湿気に弱いデリケートな製品の保管に最適です。
塵や埃、静電気を避けたい場合: クリーンルーム対応の防湿袋が適しています。
半導体や精密機器など、非常に高い清浄度が求められる環境で使用します。

（２）保管環境:
一般的な環境: 透明な防湿袋やアルミタイプの防湿袋で十分な場合があります。
ただし、温度変化が大きい場所や、直射日光が当たる場所は避けるようにしましょう。
クリーンルーム: クリーンルーム対応の防湿袋が必要です。
クリーンルームの規格に適合した製品を選びましょう。

（３）防湿性能:
透湿度: 防湿袋がどれだけ湿気を通しにくいかを示す指標です。
透湿度が低いほど、防湿性能が高くなります。
数値は、メーカーのカタログやウェブサイトで確認できます。

（４）静電気対策:
１．静電気防止機能: 静電気の発生を抑制する機能です。
電子部品などを保管する場合は、この機能が付いているものを選びましょう。
静電気防止剤が練り込まれているタイプや、表面にコーティングされているタイプがあります。
２．導電性: 静電気を逃がす性質です。静電気対策が必要な場合は、導電性のある防湿袋を選びましょう。導電性カーボンなどが練り込まれているタイプがあります。

（５）サイズ: 保管する物の大きさに合わせて、適切なサイズを選びましょう。
大きすぎると無駄なスペースを取り、小さすぎると製品が入りません。

（６）価格: 予算に合わせて、適切な価格帯の製品を選びましょう。
高機能な防湿袋ほど高価になりますが、必ずしも高価なものが最適とは限りません。

④どのような製品があるのでしょうか？（製品例）

静電気対策におすすめの防湿袋には、以下のような種類があります。

（１）透明な防湿袋（静電気防止加工）:
特徴：透明で中身が確認できます。静電気防止加工が施されているものもあります。比較的安価に入手可能です。
用途：食品、衣類、一般的な電子部品など。
代表的なメーカー/取扱会社：ケンエー、アズワン、MISUMI-VONA、MonotaROなど。

（２）クリーンルーム対応防湿袋:
特徴：低発塵性で、静電気防止機能が付いています。クリーンルームでの使用に適しています。
用途：半導体、精密機器、高度な静電気対策が必要な電子部品など。
代表的なメーカー/取扱会社：ケンエー、アズワン、サンエー化研、アキレスなど。

（３）アルミタイプの防湿袋:
特徴：アルミ箔を使用しており、高い防湿・遮光性があります。静電気防止機能が付いているものもあります。
用途：食品、薬品、電子部品など。
代表的なメーカー/取扱会社：ケンエー、アズワン、MISUMI-VONA、生産日本社など。

（４）導電性防湿袋:
特徴：静電気を逃がす導電性素材を使用しています。高度な静電気対策が必要な場合に適しています。
用途：高度な静電気対策が必要な電子部品など。
代表的なメーカー/取扱会社：ケンエー、アズワン、サンエー化研、SCS（旧3M）など。

（５）帯電防止袋
　　　特徴：静電気の帯電を防ぐ特殊な素材を使用。袋の摩擦などによる静電気の発生を抑えます。半透明で中身が確認できるものが多いです。
　　　用途：電子機器の基板や、精密機器の部品、IC、LSIなどの保管。
代表的なメーカー/取扱会社：ケンエー、アズワン、サンエー化研、SCS（旧3M）など

※まとめ
防湿袋は、これらの湿気や静電気によるダメージから製品を守るために、様々な種類が開発されています。
それぞれの特徴を理解し、適切なものを選ぶことが、製品の品質を維持するために不可欠なのです。
防湿袋は、製品を守る「盾」のような存在と言えるでしょう。
製品の特性や保管環境によって、最適な防湿袋は異なります。「湿気対策」と「静電気対策」の両方を考慮し、最適な防湿袋を選ぶことが、製品の品質を長く保つ秘訣です。今回のコラムを参考に、ぜひ、あなたの製品に最適な防湿袋を見つけてください。