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2025.10.24 クリーンルームの豆知識

クリーンルームに静電気対策品は必要なの?

① クリーンルームに静電気対策は必須!

クリーンルームでは、静電気対策品は「非常に重要」というよりも、「必須」と言えます。
なぜなら、クリーンルームは、空気中の目に見えないほど小さなゴミやホコリ(微粒子)を極限まで減らした、非常に清浄な空間です。
しかし、静電気があると、せっかく取り除いたはずの微粒子を再び引き寄せ、製品に付着させてしまうのです。
クリーンルームは、微粒子による汚染を防ぐための空間ですから、静電気による汚染は、クリーンルームの機能を著しく低下させる、絶対に避けなければならない問題なのです。

② なぜ?:

静電気が引き起こす様々なトラブル
静電気がクリーンルーム内で発生すると、以下のような様々なトラブルを引き起こす可能性があります。

(1)製品への微粒子の付着: 静電気は、ホコリなどの微粒子を引き寄せる性質があります。
クリーンルーム内で静電気が発生すると、せっかく清浄な環境にしたにも関わらず、製品に微粒子が付着してしまい、製品の品質を低下させる原因となります。

(2)電子部品の破壊: 特に半導体や電子部品の製造現場では、静電気は非常に深刻な問題です。
ほんのわずかな静電気でも、繊細な電子回路を破壊し、製品を不良品にしてしまう可能性があります。

(3)作業者への不快感: 静電気は、パチパチと痛みを感じさせたり、衣服がまとわりついたりするなど、作業者に不快感を与えます。

(4)火災・爆発の危険性(特殊な環境下): 可燃性のガスや液体を取り扱うような特殊なクリーンルームでは、静電気が火花放電を引き起こし、火災や爆発の原因となる可能性もゼロではありません。

③ 対策は?:

クリーンルームで実施すべき静電気対策
クリーンルーム内の静電気を防ぐためには、以下のような対策を総合的に行う必要があります。

(1)静電気対策品の導入: 作業者が身に着けるものから、作業環境、製品の保管方法まで、あらゆる面で静電気対策品を使用します。

(2)湿度の管理: 空気が乾燥していると静電気が発生しやすくなります。クリーンルーム内の湿度を適切に保つことも重要です。(一般的には40%~60%程度)加湿器などを利用します。

(3)定期的な清掃: クリーンルーム内を定期的に清掃し、ホコリやゴミを取り除くことも、静電気対策の基本です。

④ どのような製品を使ったらよいか:静電気対策製品のご紹介

クリーンルームで使用される代表的な静電気対策製品と、その役割、代表的なメーカー・取扱会社をご紹介します。

静電気防止服(導電服):
役割: 作業服自体が静電気を帯びにくい素材で作られており、さらに導電性の繊維を織り込むことで、体に帯電した静電気を安全に逃がします。
代表的なメーカー/取扱会社: ミドリ安全、アズワン、サンエス、ブラストン。

静電気防止靴(導電靴):
役割: 靴底に導電性素材を使用し、床に静電気を逃がすことで、歩行時に発生する静電気を抑制します。
代表的なメーカー/取扱会社: ミドリ安全、アズワン、シモン、アキレス、ケンエー。

静電気防止手袋(導電手袋):
役割: 静電気を発生しにくい素材で作られ、指先まで覆うことで、手から製品への静電気の影響を防ぎます。
代表的なメーカー/取扱会社: ミドリ安全、アズワン、ショーワグローブ、アンセル、ケンエー。

イオナイザー(除電器):
役割: 空気中にプラスとマイナスのイオンを放出し、帯電している物体の静電気を中和します。据え置き型、ガンタイプ、バータイプなど様々な種類があります。
代表的なメーカー/取扱会社: キーエンス、SMC、TRUSCO、ベッセル、シシド静電気、ケンエー。

静電気防止マット(導電性マット):
役割: 作業台や床に敷き、静電気を安全に地面に逃がします。
代表的なメーカー/取扱会社: アズワン、TRUSCO、ホーザン、エンジニア、ケンエー。

静電気防止容器(導電性コンテナ):
役割: 部品や材料を保管する際に、静電気から保護します。
代表的なメーカー/取扱会社: アズワン、サンコー、TRUSCO、積水テクノ成型、ケンエー。

※まとめ:
静電気対策はクリーンルームの品質維持に不可欠です。
クリーンルームにおける静電気対策は、製品の品質を守り、製造プロセスを安定させるために、絶対に欠かせない要素です。
適切な静電気対策品を選び、正しく使用することで、クリーンルームの清浄度を維持し、高品質な製品を作り続けましょう。

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