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2025.10.23 静電気対策袋の豆知識

静電気で壊れないように部品を運ぶにはどうしたら良いの?

①電子部品は、私たちの身の回りにあるスマートフォンやパソコン、家電製品など、あらゆるものに使われています。これらの部品は非常にデリケートで、特に「静電気」にはとても弱いのです。ほんの少しの静電気でも、部品が壊れてしまうことがあります。

この静電気が、電子部品にとっては大敵なのです。電子部品が静電気を浴びてしまうと、内部の回路がショートしたり、性能が劣化したりして、最悪の場合は完全に壊れてしまいます。
そこで今回は、大切な電子部品を静電気から守りながら安全に運ぶための方法を、詳しくご紹介します。

②なぜ?:

どうして静電気が電子部品に悪影響を与えるの?
静電気は、目に見えない小さな「電気の力」です。
この力が、電子部品の内部にある非常に細い配線や、小さな電子回路に影響を与えてしまいます。

(1)電子部品の構造: 電子部品は、非常に小さなトランジスタやコンデンサ、抵抗などが集まってできています。
これらの部品は、髪の毛よりも細い配線で繋がっています。

(2)静電気の影響: 静電気は、電圧が非常に高いのが特徴です。
この高い電圧が、電子部品の細い配線に流れ込むと、配線が焼き切れてしまったり(ショート)、部品の性能が落ちてしまったりすることがあります。

(3)静電気による故障の厄介な点: 静電気による故障は、すぐに症状が現れないこともあります。
「なんとなく調子が悪い」「時々誤作動する」といった症状が、実は静電気によるダメージが原因だった、というケースも少なくありません。

③対策は?:

静電気から部品を守るための対策
静電気から電子部品を守るためには、以下の3つのポイントが重要です。
●静電気を発生させない
●静電気を帯びたものから部品を遠ざける
●静電気を安全に逃がす
これらのポイントを踏まえて、具体的な対策を見ていきましょう。

(1)静電気対策グッズを使う
静電気対策グッズは、静電気の発生を抑えたり、静電気を安全に逃がしたりする効果があります。
1.導電性の容器や袋:
なぜ必要?: プラスチックなどの絶縁体は、静電気を帯びやすく、部品に近づけると静電気を放電してしまう可能性があります。導電性の容器や袋は、静電気を逃がす性質があるため、部品を静電気から守ることができます。
使い方: 部品を導電性の容器や袋に入れて運びます。容器や袋は、必ず口を閉じて密閉しましょう。
種類:
導電性バッグ: 部品を個別に包装するのに適しています。
導電性コンテナ: 複数の部品をまとめて運ぶのに適しています。
導電性トレイ: 部品を一時的に置いておくのに便利です。

2.静電気防止マット:
なぜ必要?: 作業台が帯電していると、部品に静電気が移ってしまう可能性があります。
静電気防止マットは、静電気を逃がす性質があるため、作業台の帯電を防ぎ、部品を安全に扱うことができます。
使い方: 作業台に静電気防止マットを敷き、その上で部品を扱います。
マットは、アース線(接地線)を接続して、静電気を地面に逃がすようにしましょう。

3.静電気除去ブレスレット(リストストラップ):
なぜ必要?: 人体は、衣服の摩擦などによって静電気を帯びやすいです。
静電気除去ブレスレットは、体に溜まった静電気を安全に逃がすことで、部品への放電を防ぎます。
使い方: 手首に静電気除去ブレスレットを装着し、アース線(接地線)を接続して、静電気を地面に逃がすようにします。

(2)湿度を管理する
湿度が低いと、静電気が発生しやすくなります。適切な湿度を保つことで、静電気の発生を抑えることができます。
なぜ必要?: 空気が乾燥していると、物が擦れたときに静電気が発生しやすくなります。
湿度が高いと、空気中の水分が静電気を逃がしてくれるため、静電気の発生を抑えることができます。
対策:
加湿器を使う: 加湿器を使って、室内の湿度を40%〜60%程度に保ちましょう。
濡れタオルを置く: 濡れタオルを部屋に干しておくだけでも、湿度を上げる効果があります。
観葉植物を置く: 植物は、葉から水分を蒸発させるため、湿度を上げる効果があります。

(3)作業環境を整える
作業環境を整えることで、静電気の発生を抑え、部品への影響を最小限にすることができます。
1.絶縁体との接触を避ける:
なぜ必要?: プラスチックや発泡スチロールなどの絶縁体は、静電気を帯びやすく、部品に近づけると静電気を放電してしまう可能性があります。
対策: 部品を運ぶ際は、プラスチック製の容器や袋は避け、導電性のものを使用しましょう。また、作業台の上には、絶縁体のものを置かないようにしましょう。
2.衣服の素材に注意する:
なぜ必要?: 化学繊維の服は、摩擦によって静電気を発生させやすいです。
対策: 綿や麻などの天然素材の服を着用しましょう。静電気防止スプレーを使うのも効果的です。
3.床材を選ぶ:
なぜ必要?: 床材によっては、歩くたびに静電気が発生することがあります。
対策: 導電性の床材や、静電気防止加工が施された床材を選ぶと、静電気の発生を抑えることができます。

(4)その他の注意点
1.部品を直接触らない:
なぜ必要?: 人体は静電気を帯びている可能性があるため、直接部品に触れると、静電気を放電してしまうことがあります。
対策: ピンセットや手袋(静電気対策用)を使って、部品を扱うようにしましょう。
2.ゆっくりと扱う:
なぜ必要?: 部品を急に動かしたり、衝撃を与えたりすると、静電気が発生しやすくなります。
対策: 部品は丁寧に扱い、ゆっくりと動かすようにしましょう。

④ 静電気対策におすすめの製品紹介

1. 導電性容器/袋
製品例: 導電性バッグ、導電性コンテナ、導電性トレイ
メーカー/取扱会社 (例): アズワン、サンワサプライ、ホーザン、TRUSCO、ミドリ安全、ケンエーなど
特徴: 静電気を遮蔽し、部品を保護します。様々なサイズ、形状があります。

2. 静電気防止マット
製品例: 静電気防止マット (各種サイズ、材質)
メーカー/取扱会社 (例): アズワン、サンワサプライ、ホーザン、TRUSCO、ミドリ安全、白光、ケンエーなど
特徴: 作業台に敷き、静電気の発生を抑制します。アース線接続で効果がアップします。

3. 静電気除去ブレスレット (リストストラップ)
製品例: リストストラップ (コード付き、コードレス)
メーカー/取扱会社 (例): アズワン、サンワサプライ、ホーザン、TRUSCO、ミドリ安全、白光、DESCO、ケンエーなど
特徴: 体に帯電した静電気を安全に除去します。コード付きはアース線接続が必要です。コードレスは手軽です。

4. 静電気対策手袋
製品例: 静電気対策手袋 (導電糸入り、滑り止め付きなど)
メーカー/取扱会社 (例): アズワン、ミドリ安全、TRUSCO、ショーワグローブ、アンセル、ケンエーなど
特徴: 手袋自体が静電気を帯びにくく、部品への放電を防ぎます。

5. 静電気対策クリーナー
製品例: 静電気対策クリーナー (スプレータイプ、ウェットティッシュタイプ)
メーカー/取扱会社 (例): アズワン、サンワサプライ、3M、エレコム など
特徴: 静電気を除去し、ホコリの付着を防ぎます。

6. イオナイザー
製品例: イオナイザー (卓上型、ガンタイプ、バータイプ)
メーカー/取扱会社 (例): シシド静電気、キーエンス、TRUSCO、コニカミノルタ、SMC、ケンエー など
特徴: 静電気を中和するイオンを発生させ、空間全体の静電気を除去します。

7. 静電気測定器
製品例: 静電気測定器 (ハンディタイプ、表面電位計)
メーカー/取扱会社 (例): シシド静電気、キーエンス、TRUSCO、カスタム、サンワサプライ など
特徴: 静電気の帯電量を測定し、対策の効果を確認します。

8. 静電気対策床材
製品例: 静電気対策床材 (導電性タイル、導電性シート、導電性塗料)
メーカー/取扱会社 (例): タキロンシーアイ、東リ、ABC商会、アキレス、ケンエー など
特徴: 床からの静電気発生を抑制します。

9. 静電気防止スプレー
製品例: 静電気防止スプレー (衣類用、プラスチック用など)
メーカー/取扱会社 (例): ライオン、花王、エステー、コニシ など
特徴: 衣類やプラスチック製品にスプレーし、静電気の発生を抑制します。

※まとめ
電子部品を静電気から守るためには、
静電気対策グッズの活用
湿度管理
作業環境の整備
が重要です。
今回紹介した対策を参考に、大切な電子部品を静電気のトラブルから守りましょう。

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